応募申請の要件は何を満たせば使えるのか

中小企業庁より2月15日に公表された「事業再構築補助金の概要」の申請要件としては中小企業・中堅企業を対象に①売上高の減少②事業再構築指針(公表前)に沿った事業再構築に取り組む③認定支援機関との事業計画の策定及び付加価値額の増加、この3つの要件を満たす必要があります。

1.対象となる事業者

 まず事業再構築補助金の対象となるのは、新型コロナ感染症の影響による事業環境の変化に対応するために「事業再構築指針」に沿った新分野展開、業態転換、事業・業種転換等に挑戦する中小企業、中堅企業となります。

 中小企業とは、中小企業基本法と同様(下記の図参照)であり、小規模事業者や個人事業主も対象なります。また中小企業の範囲に入らない企業のうち資本金10億円未満の中堅企業となる見込みです。(調整中)

業種分類

中小企業基本法の定義

製造業その他

資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人

卸売業

資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人

小売業

資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人

サービス業

資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人

 

※上記にあげた中小企業の定義は、中小企業政策における基本的な政策対象の範囲を定めた「原則」であり、法律や制度によって「中小企業」として扱われている範囲が異なることがあります。詳しくは中小企業庁や認定支援機関などにご相談ください。

2.売上が10%以上減っていること

 新型コロナウイルス感染症の影響で、需要や売り上げの回復が難しい中小企業、中堅企業への支援であり、申請前の直近6か月間のうち任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1 ~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していること。

3.事業再構築に取り組む

 自社の強みや経営資源(ヒト、モノ等)を活かしつつ、「事業再構築指針」に沿った新分野展開、業態転換、事業・業種転換等を行うこと。後で述べますが、「事業計画の策定」が必要となります。この事業計画の内容に対して審査が行われますので、「事業再構築指針」(公表前)をよく理解していないと審査に通る可能性は低くなるでしょう。

4.認定経営革新等支援機関と事業計画を策定する

 上記3の事業再構築のための事業計画書が必要となります。この事業計画の内容に対して審査が行われますので、「事業再構築指針」(公表前)をよく理解していないと審査に通る可能性も低いでしょう。

 なお補助金額が3,000万円を超える案件は金融機関(銀行、信金、ファンド等)も参加して策定する。金融機関が認定経営革新等支援機関を兼ねる場合は、金融機関のみで構わないとありますが、金融機関のみで行うには限界があるので、ものづくり補助金や経営革新等から実際の実務レベルを考えれば、企業の内情をよく理解している顧問税理士、公認会計士に委ねられることでしょう。

 認定支援機関と連携して「事業再構築指針」に沿った形で事業計画書を作成することになるのですが補助事業終了後も成果目標を満たすことも求められ、これが達成できなければ補助金の返金の可能性もあります。

 補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%(グローバルV字回復枠は5.0%)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(同上5.0%)以上の増加の達成を目指す事業計画書を策定しなければなりません。

※付加価値額とは、営業利益、人件費、減価償却費を足したものをいい、この補助金では「年率平均3.0%以上」と目標が設定されています。

※認定支援機関等とは、正式名称を「経営革新等支援機関(通称「認定支援機関」)」と言い、商工会・商工会議所、金融機関、中小企業診断士、税理士、公認会計士、弁護士などが認定支援機関として登録されています。これらの有資格者全てが認定支援機関というわけではなく、これらの専門家のうち、実務経験などが国から認められて認定支援機関となりますので詳細は中小企業庁HP内の認定経営革新等支援機関一覧表を確認してください。

どこに頼めばいいのか 

 補助金への応募申請時の事業計画書等の作成に要する経費(認定経営革新等支援機関に対する事業計画策定のためのコンサルタント料等)は補助対象外です。それに各社、支援サービスも定額であったり成功報酬であったりと様々です。まずは顧問である税理士、公認会計士などへ依頼するのがベストだと思います。

 ただ、今回の事業再構築補助金については、SWOT分析を活用し合理的で説得力のある事業計画書が求められているので事業計画書の作成スキルが非常に重要となります。

 なので、例えば、SWOT分析で言えば、「SWOT検定」などスキルを図る物差しがありますので、事業計画書の作成スキルやこれまでの実績など支援内容も含め、よく検討し認定支援機関先を選ぶことをお勧めします。

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